更年期世代に必要なエステティシャンの関わり方

更年期というライフステージを迎える女性は、体や心にさまざまな変化を不安を感じながらも、日々の生活や仕事、家族との関わりを続けています。

 

 

 

今、更年期に関する情報は得やすくなり、何かしなくては・・とわかっていても行動に移せない方がたくさんいます。

 

 

 

エステティシャンはこれまで「美容のプロ」としてお客様に寄り添ってきましたが、今後求められているのは“美容だけではない”更年期ケアの在り方です。

 

 

 

女性の更年期以降における人生の質(QOL)を高める存在として、エステティシャンが果たせる役割を、再度考えてみましょう。

 

 

 

更年期世代の“ゆらぎ”は肌にも心にも表れる

更年期は卵巣機能の低下とともにエストロゲンの分泌が減少し、さまざまな不調が現れやすい時期です。

 

 

 

ホットフラッシュ、冷え、むくみ、肩こり、肌荒れ、シワ、たるみなどの外見的な変化に加えて、イライラ、不眠、不安感、やる気の低下といったメンタル面の不調も多くの女性が経験します。

 

 

 

これらの変化は、本人も「年齢のせいかな」「疲れが取れにくいだけかも」と曖昧に捉えてしまいがちです。

 

 

 

病院に行くほどではないけれど、お肌の調子が良くなくお化粧ののりが悪い、肌が痒い、ホットフラシュでお化粧が落ちてしまい困っているなど、お悩みは山積しています。

 

 

 

そのお悩みや不調に、早く気づき、適切なアプローチをすることができれば、お客様の生活の質は大きく変わります。

 

カウンセリングや施術の中で見えてくる身体や肌の変化、ちょっとした会話の端々に、お客様の心身の状態を感じ取るヒントがあります。

 

 

 

「最近よく眠れない」「肌が急に敏感になった」などの言葉に対し、更年期による影響かもしれないという視点を持つことが大切です。

 

 

 

技術だけでなく、気づきと共感力があるエステティシャンこそ、お客様にとって“話しやすく、安心できる存在”になります。

 

 

 

そして、この信頼関係こそが、長く通っていただけるサロンづくりにつながっていくのです。

 

セルフケアのアドバイスだけでは終わらせない

「この化粧品を使ってください」「湯船に浸かってください」といったセルフケアの提案だけでは、なかなかお客様の生活に変化は起きません。

 

 

 

大切なのは、その方の生活習慣や価値観に寄り添いながら、セルフケアが“続くように”サポートしていくことです。

 

 

 

たとえば、睡眠に悩む方に対してはアロマの提案だけでなく、「寝る前にスマホを見る時間を少し減らしてみましょう」といった実践的なアドバイスや、「うまくいったか、また教えてくださいね」とフォローを添えることが効果的です。

 

 

 

お客様の生活に“入り込む”ような意識が、セルフケアの習慣化につながり、結果としてお肌や体調の改善、そして笑顔に結びついていきます。

 

メンタルサポートのカギは“寄り添い”と“余白”

エステティックの時間は、施術とともに「気持ちを整える時間」でもあります。

 

 

 

リラックスすることが、自律神経のバランスを整え体調をよくすることにつながります。

 

 

 

大切なのは、話を聴く、共感の姿勢。

 

 

 

アドバイスよりもまず「聞いてくれてありがとう」と感じてもらえるような寄り添いが、お客様にとって何よりの安心になります。

 

 

 

また、無理に沈黙を埋めず、“余白のある空間”をつくることも、心理的安全性を高める要素です。

 

 

 

「ここに来るとホッとする」「また頑張れそう」と感じてもらえるサロンになるために、技術以上に“空気づくり”が大切になってきます。

 

 

更年期の女性にとって、信頼できるエステティシャンの存在は、美容を超えた「人生の伴走者」でもあります。

 

 

 

そのためには、エステ技術に加えて“健康的な視点”を持つことが求められます。

 

 

 

ホルモンバランスの知識、ストレスとの向き合い方、生活習慣改善へのアドバイスなど、学びを深めることで、より幅広いケアが可能になります。

 

 

 

また、必要に応じて他の専門職(婦人科医やカウンセラーなど)と連携を取る姿勢も、プロフェッショナルとして大切な在り方です。

 

 

おわりに

更年期は「終わり」ではなく、「自分らしさを再構築する始まりの時期」。

 

 

その変化をポジティブに捉えられるように、日々お客様に寄り添うエステティシャンの存在は、これからますます求められていくでしょう。