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その“なんとなく不調”は、更年期かもしれません。
入院中の倦怠感、不眠、イライラ、突然の発汗……。
    
    「治療のせい」「入院生活のストレス」と片づけられがちなこれらの症状。
    
    でも、それはもしかすると、更年期による体の変化が関係しているかもしれません。
更年期は、主に40代後半〜50代の女性に訪れる、ホルモンバランスの急激な変化によるライフステージの大きな節目です。
しかし、医療の現場ではその症状が見逃されることが少なくありません。
この記事では、看護師として入院中の女性患者の更年期症状にどう向き合い、現場でどう対応できるかを、実践的に解説します。
なぜ入院中に更年期症状が表れやすいのか?
入院中の患者は、病気や手術そのものに加え、
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        睡眠環境の変化 
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        治療への不安 
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        社会的な役割からの一時的な離脱 
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        ストレス・孤独感 
といった心理的・社会的な多くのストレスを抱えています。
更年期世代の女性にとって、これらの要因がホルモンの変化と重なることで、更年期様症状が表面化しやすい状態になります。
更年期症状としてよく見られる入院中の訴え
夜間の発汗やのぼせ(ホットフラッシュ)
- 慢性的な不眠
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        イライラや気分の落ち込み 
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        動悸、めまい 
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        体の痛み、倦怠感 
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        理由のない涙や不安感 
これらは一見、「病気の影響」や「一時的なストレス反応」ともとらえられがちですが、実は更年期によるホルモンの乱れが背景にある場合もあります。
看護師にできる!現場での気づきと支援のポイント
① 日常の観察で「違和感」に気づく力
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        年齢や閉経状況をふまえた視点で観察する 
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        「最近、眠れない」「急に汗が出て困る」といった言葉にアンテナを立てる 
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        薬の副作用との違いにも注意を向ける 
② 看護診断を活用したアセスメント
以下のような看護診断をもとに、多面的な支援を考えます:
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        睡眠パターンの障害 
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        活動耐性の低下 
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        不安・抑うつ傾向 
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        知識不足(更年期に関する) 
③ 健康教育とセルフケアのサポート
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        更年期に関する簡単な知識の共有(なぜ起こるのか?どう対処できるのか?) 
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        食事・運動・睡眠の工夫やエクオールなどのサプリメントの紹介(医師と連携して) 
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        「あなたの症状は年齢的な変化かもしれません」と伝えるだけでも安心につながる 
婦人科受診のすすめ方:医師との連携が鍵
婦人科受診には紹介状が必要な場合が多く、医師が更年期についてあまり詳しくないこともあります。
そのような時は、看護師としての気づきを整理し、中立的に提言するのが効果的です。
「○○さんの不眠や発汗、気分の落ち込みが続いていて、年齢的にも更年期の影響があるかもしれません。婦人科での評価も一案かと思います」
受診を促す際は、患者本人が不安を抱えているか、QOLに影響が出ているかを見極め、丁寧な声かけと情報提供を心がけましょう。
退院に向けた支援:見えないつらさをつなぐ看護
退院後も症状が継続する場合があるため、以下の支援が重要です:
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        更年期に関するリーフレットや相談窓口の紹介 
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        外来や地域支援(婦人科、保健師)への情報引き継ぎ 
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        セルフケアに役立つアドバイスの提供(生活リズム、ストレス対処など) 
何よりも、「そういう時期なんですね」「一人じゃないですよ」と伝えられる看護の力が、患者にとって大きな支えになります。
おわりに|“看護師自身”が学ぶことから始まるケア
実は、看護師自身も学生時代に更年期について詳しく学ぶ機会が少なく、臨床現場でもこの視点は見過ごされがちです。
    
    でも今、現場で働く私たちが「知ること」「気づくこと」で、患者のQOLは大きく変わります。
「もっと知りたい」「自分のケアに取り入れたい」と感じた方へ。
    
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